4.技術士二次試験(必須科目)設問解読方法

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平成19年より前は、模範解答をいくつか用意しておけば、そのまま書くことで対応できました。

現在では、応用能力を重視し、長文化した設問に対応した解答をしないと合格が難しくなっています。

 設問の長文化により、一見、あまり意味もない社会状況説明などが、問題文に含まれるようになりましたが、多くの人は、解答において、あまり気にしていないようです。

しかし、実際は、長文の設問には、全く無駄がなく、設問者の意図が組み込まれています。

個人的には、長文化した方が試験はやりやすくなったと思います。

なぜなら、解答すべき項目や制約条件を明確に指示してくれるようになったからです。

 同じ知識レベルでも出題者の意図を読み取れるか否で、得点にかなりの差がつくでしょう。

この能力は、応用能力そのものです。相手の意図やニーズをつかむことが、すべての経済活動において最も重要な能力です。また、この能力は訓練により向上させることができます。

具体的な方法論に移ります。

 ①設問をよく読み、解読、分解していく

まず、出題者の気持ちになって考えることが重要です。そのための、基本的なスタンスですが、出題者のつもりになって、どんなことを解答してほしいのか、あるいは、何を考慮してほしいのか、常に掴もうとする意識が重要です。

 具体的には、設問をよく読んで、目的、制約条件や留意点、解答要求時を発見し、カッコや、アンダーラインなどを付けて、設問を分解して徹底的に理解します。

 ②上位目標の把握(社会問題)

社会状況の説明などがされている設問があります。

 例えば、建設部門で言えば、少子高齢化、地域の発展などの社会状況について説明されている場合です。

各専門の部門の技術的課題は、すべてはこれら上位の社会的な問題を解決するためにあるものです。

設問で社会状況を説明してあるのは、解答の範囲を指定しているものと考えましょう。

解答が、むやみやたらに総花的なものになるのではなく、上位の社会的問題を解決するものとすべく範囲を限定しているのです。

詳細には、

・「はじめに」で、認識していることを示すため、社会状況の説明が必要

・問題、課題、方策などが設問で示された社会状況(問題)を解決するものであること

 ③制約条件の発見

設問文の中には、制約条件があります。

例えば、建設部門における「少子高齢化」は、社会の活力低下という社会問題と、投資余力の減少という制約条件の二つの意味があります。

この場合、制約条件を理解しないで、方策において、多大な投資を提案したりすると、減点になるでしょう。

社会問題を解決するための複数案の中、制約条件を見つけることで、さらにトピックを絞ることができ、出題者の中の模範解答に近づくことができるでしょう。

 また、最近は丁寧に「~を踏まえて」「~の観点から」など、明確に制約条件を提示してくれているケースもあります。

見落とさないように、マークするようにして下さい。

 ④解答要求事項の把握

解答要求事項とは、「見出し1.2.3」になるものです。

私が採点官なら、まず、見出しが、要求事項とあっているかをチェックします。

見出しからして、解答要求事項からずれてしまっていたら、高得点は望めないでしょう。

 設問中の解答要求事項とは、例として、「課題を述べよ」 「留意点を述べよ」、「あり方を述べよ」「解決方法を述べよ」という形で現れます。

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