以前は、経験重視の資格であり高難易度業務の多い大企業優位の資格でしたが、技術的体験論文提出が2次筆記試験合格後となり、試験制度的には中小企業のハンデは少なくなったといえます。
ただし、統計データはありませんが、中小企業出身者は少ないと思われ、依然、大企業優位の資格であると言えます。
その要因としては、
①企業側の支援がほとんどない
例えば、ある程度の規模がある建設コンサルタントであれば、技術士増加のために、社内講習会、模擬試験、予想問題、関連情報提示などの取り組みを行っておりますが、中小企業では、個人任せで取り組みを行っているところが少ないことが現状だと思われます。
②指導してくれる人がない
社内に現役レベル(30~50代)の技術士が多数いて、各専門分野の添削や指導を受けられる大企業と違い、中小企業は、こういった環境面でのハンデを負っています。
③文章を書くことに慣れていない
技術士の論文作成には、業務において計画や検討を行い、レポートは書き、提案・プレゼンを行うといった経験が役に立ちます。こういった経験を積むことが少ない場合、技術士論文作成においてハンデになります。
④最初から諦めている
社内に技術士が少なく技術士取得の必要性を感じない。また、最初から諦めている方も多いように思われます。試験は、受けに行かなければ永久に合格しません。
こうして、中小企業の制度的ハンデは少なくなりましたが、現在でも大企業有利な状況にあります。ただ、現在は、こうしてWEB上でも情報を収集できますし、教育システムを発展しておりますので、本人がやる気を出して、効果的な取り組みをすれば技術士取得は不可能ではありません。